Monthly Archives: 5月 2016
気配りしてますか -上司・同僚の方へ-
部下、同僚への相談に対応する際は、本人のプライバシーに
十分配慮する必要があります。
話し合いの場所は、他の人へ話しが聞こえないよう、個室で行うようにしましょう。
よく部下や同僚の悩みを聞く際に酒の席に誘いがちですが、
重要な内容の場合には適切ではありません。
本人から聴いて知った個人情報を不必要に他の人へ伝えてはいけません。
他の人へ伝える必要がある場合も、原則、本人の了解を得た上で
行う必要があります。
伝える範囲も必要最低限とし、その内容についても本人が
安全かつ健康に働くことができるために必要なものに限るべきです。
病名については伝える必要はなく、残業制限や軽作業など
具体的に必要な配慮の内容に焦点をあてるようにします。
厚生労働省
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト 〜心の健康確保と自殺や過労死などの予防〜より
気配りしてますか -上司・同僚の方へ-
長時間の残業や深夜業務など過重な負荷が続くと、
睡眠時間の減少に結びつき、脳・心臓疾患発症のリスクが高まります。
また業務による心理的負荷によってうつ病やうつ状態が生じることもあります。
一方で、メンタルヘルス不調が原因で業務遂行能力が低下した結果、
長時間の残業が起こっている場合もあります。
いずれにしても過重労働とメンタルヘルス不調を始めとした健康障害は
密接な関連があると言えるでしょう。
長時間労働者への医師による面接指導は、疲労の蓄積や
メンタルヘルス不調を早めに発見してもらう貴重な機会です。
部下や同僚に残業時間を過小申告させないようにしたり、
忙しいからと面倒くさがっているときには面接を避けずに、
積極的に受けさせるようにしましょう。
また過重労働が常態化している部署の管理監督者は、
部下に医師による面接指導を受けさせるのはもちろんですが、
中長期的に根本的な解決に取り組むことも重要です。
仕事の分担を見直したり、仕事を効率化したり、
派遣社員やOBを雇用して人を増やしたり、
新人を育てるなどの対策に地道に取り組んで、
少しずつでも良い方向に向かっていることが見えれば、
同じ残業時間でも疲労の感じ方は変わってきます。
またノー残業デーなどを設けることも有効です。
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パワー・ハラスメントとは、
「職場において、職権などの力関係を利用して、
相手の人格や尊厳を侵害する言動を繰り返し行い、
精神的な苦痛を与えることにより、その人の働く環境を
悪化させたり、あるいは雇用不安を与えること」とされています。
ハラスメントは被害を受けている社員のメンタルヘルス不調に
結びつくだけでなく、職場にハラスメントを容認する風土があれば、
他の社員のやる気もそがれます。
部下や同僚のハラスメント被害に気づいたら、まずはプライバシーに
十分配慮しつつ、真摯に話を聴くことが大切です。
その際に、本人にも問題があるような発言をしたり、
否定するような発言をすると、2次被害を与えてしまう場合があるので
注意が必要です。
メンタルヘルス不調の徴候に気づいたら、産業保健スタッフへの相談を勧めます。
ハラスメント行為者が直属の上司である場合などは、
本人が相談したがらない場合や、パワー・ハラスメントかどうかの判断が
第三者から見て難しい場合は、放置するのではなく、まずは自分自身が
産業保健スタッフに相談してみるのも一つの手です。
また、ハラスメントは人権問題でもあり、産業保健スタッフへの相談だけでは
根本的な解決にはなりませんので、ハラスメントの相談窓口に相談することが
必要な場合もあります。
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部下や同僚のメンタルヘルス不調に気づくには、
「本人の通常の行動様式からのズレ」 に着目することが大切です。
たとえば以前と比べて遅刻が多い、顔色が良くない、口数が少ない、
身だしなみが乱れてきた、昼休みに一緒に食事に行かなくなった、
仕事の能率低下やミスが目立つなどです。
このような徴候に気づいたら、一度時間を取ってゆっくり話を聴くことが大切です。
その場合、アドバイスするよりも、その人の気持ちを十分に聴くという姿勢が大事です。
話を聴いてみて、眠れない・食欲がない・疲れやすいなどの体の不調や、
飲酒・喫煙量の増加などに気づいたら、率直に心配している気持ちを伝え、
社内の産業医や保健師への相談を促しましょう。
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メンタルヘルスケアを実践する基本的な意義は、
全ての働く人が健やかに、いきいきと働くことができるように、
必要なケアを実践して心の健康確保を図り、働く人とその家族の
幸せを確保することにあります。
この他に職場でメンタルヘルスケアを実践していく意義は
いろいろありますが、その主なものは次のとおりです。
ア 職場の生産性の低下の防止
メンタルヘルス不調になると、仕事への根気が続かなくなる、
重要な決定事項が判断できなくなる、
普段なら半日でできていた仕事が1日かかるようになるなど、
本来その人が持っていた業務遂行能力を、十分発揮できなくなります。
また朝に調子が悪くなる場合が多いため、遅刻が増えてきます。
さらに一旦休業になった場合は長期間になることも多く、
疾病休業日数の大きな割合を占めます。
多くの企業では長期休業者の3~5割がメンタルヘルス不調によると言われています。
また最悪の場合は自殺や離職につながることもあります。
メンタルヘルス不調に陥る人は、元もとは仕事熱心であった人も多いため、
企業にとっては貴重な戦力を失うことになります。
メンタルヘルスケアを実践することで、労働者自身によるストレスへの
気づきのノウハウを身につけたり、メンタルヘルス不調を早期発見・早期対処できれば、
これらの発生や悪化を防止することが期待できます。
イ 生産性や活力の向上
メンタルヘルス不調に陥った人だけでなく、社員全員や組織を対象として
職場環境改善を行ったり、組織開発を行ったりすることは、
社員の労働生活の質を高め、ワークモチベーションを維持し、
生産性や活力の向上につながります。
ウ リスクマネージメント
メンタルヘルス不調に陥ると、集中力や注意力の低下による
事故・トラブルにつながります。
特に公共の交通機関やクレーンなどの運転を行う場合は、
本人だけでなく、顧客や同僚など周囲の安全と健康も脅かしかねません。
またメンタルヘルス不調に対しての企業の対応が不適切だったために、
メンタルヘルス不調を悪化させてしまった場合、労災請求や民事訴訟につながる場合もあります。
これらのトラブルを防止するためにも、メンタルヘルスケアを適切に実践していくことが大切です。
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仕事で経験するストレスの内容は、ライフサイクルによっても異なります。
ここでは、厚生労働省による「労働者健康状況調査」(2012年)を参考にしながら、
ライフサイクルに伴う仕事のストレスについて考えてみます。
大部分の労働者は、20歳代前半から30歳ごろにかけて職業生活を始めます。
これらの時期では、新しい職場環境に慣れ、仕事を覚え、
人間関係を構築することが必要で、こうした課題に伴うストレスを自覚することが
多くなります。
また、仕事の適性に関する悩みが多いのもこの時期の特徴です。
30歳代では、職場環境や人間関係にも慣れ、職業生活も軌道に乗る頃で、
周囲からの期待もしだいに大きくなってきます。
これに伴い、仕事の忙しさや量的な負担についてストレスを感じる労働者が
多くなるのもこの時期の特徴です。
また、私生活でも、結婚や子どもの誕生といった大きな変化を経験し、
こうした変化に対応することもストレッサーになることがあります。
40歳代では、周囲からの期待がさらに大きくなり、
より高度な内容の仕事を求められるようになります。
また、管理職などの立場で部下や後輩の管理業務を任される機会も
多くなることから、仕事の質についてストレスを感じる労働者の割合も増えてきます。
その他、上司と部下との間での「サンドイッチ現象」によって
人間関係のストレスを感じる労働者も少なくありません。
50歳代以降では、組織の中での能力や立場の差が顕著になってきます。
会社や組織の中で中心的な役割を求められる労働者がいる一方で、
そうでない労働者も出てくることから、人間関係で悩む人が少なくありません。
また、定年後の仕事や老後の問題についても現実味を帯びてくるほか、
自分自身の健康問題や両親の介護の問題などもストレッサーとなってきます。
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ストレスは、もともと物理学の分野で使われていたもので、
物体の外側からかけられた圧力によって、歪みが生じた状態を言います。
ストレスを風船にたとえてみると、風船を指で押さえる力をストレッサーと言い、
ストレッサーによって風船が歪んだ状態をストレス反応と言います。
医学や心理学の領域では、こころや体にかかる外部からの刺激をストレッサーと言い、
ストレッサーに適応しようとして、こころや体に生じたさまざまな反応をストレス反応と言います。
私たちのこころや体に影響を及ぼすストレッサーには、
「物理的ストレッサー」(暑さや寒さ、騒音や混雑など)、
「化学的ストレッサー」(公害物質、薬物、酸素欠乏・過剰、一酸化炭素など)、
「心理・社会的ストレッサー」(人間関係や仕事上の問題、家庭の問題など)があります。
普段、私たちが「ストレス」と言っているものの多くは、
この心理・社会的ストレッサーのことを指しています。
職場には、仕事の量や質、対人関係をはじめ、さまざまな要因が
ストレッサーとなりうることが分かっています。
ストレッサーによって引き起こされるストレス反応は、
心理面、身体面、行動面に分けることができます。
心理面でのストレス反応には、活気の低下、イライラ、不安、
抑うつ(気分の落ち込み、興味・関心の低下)などがあります。
身体面でのストレス反応には、体のふしぶしの痛み、頭痛、肩こり、
腰痛、目の疲れ、動悸や息切れ、胃痛、食欲低下、便秘や下痢、
不眠などさまざまな症状があります。
その他、行動面でのストレス反応には、飲酒量や喫煙量の増加、
仕事でのミスや事故、ヒヤリハットの増加などがあります。
これらのストレス反応が長く続く場合には、過剰なストレス状態に
陥っているサインかもしれません。
これらの症状に気づいたら、普段の生活を振り返り、ストレスと上手に
付き合うための方法(コーピング)を工夫してみることをおすすめします。
また、これらの症状の程度が重かったり、長期間続くような場合には、
専門家(精神科,心療内科)に相談することをおすすめします。
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少子高齢化、団塊世代の大量退職、成果主義の導入、
国際競争の激化、人員削減による負担の増大、経済状況の悪化など、
近年、働く人びとを取り巻く環境は大きく変化しています。
こうした変化に伴い、仕事でストレスを感じている労働者の割合や、
ストレスの内容も変化してきました。
厚生労働省が5年に1回行っている「労働者健康状況調査」によれば、
「仕事や職業生活でストレスを感じている」労働者の割合は、
50.6%(1982年)、
55.0%(1987年)、
57.3%(1992年)、
62.8%(1997年)、
61.5%(2002年)、
58.0%(2007年)、
60.9%(2012年)
と推移しており、今や働く人の約6割はストレスを感じながら仕事をしていると言えます。
この割合を年代別に見てみると
(2012年の調査結果)
58.2%(20歳代)、
65.2%(30歳代)、
64.6%(40歳代)、
59.1%(50歳代)、
46.9%(60歳以上)
と推移しており、30歳代・40歳代のいわゆる働き盛り世代のストレスが高く、
この傾向は、男女ともに共通しています。
ストレスの内容を具体的に見ると
(2012年の調査結果)
人間関係(41.3%)が最も多く、
仕事の質(33.1%)、
仕事の量(30.3%)と続きます。
これを男女別に見ると、
男性では人間関係(35.2%)が最も多く、
仕事の質(34.9%)、
仕事の量(33.0%)と続くほか、
会社の将来性(29.1%)や
昇進、昇給の問題(23.2%)、
定年後の仕事・老後の問題(22.4%)についても
男性の3人から4人に1人の割合で訴えていることが分かります。
一方、女性では
人間関係(48.6%)でストレスを自覚している人が約半数を占め、
続いて仕事の質(30.9%)、
仕事の量(27.0%)と続いています。
これらの結果は、仕事で経験するストレスの内容が
性別によって異なることを示しています。
職場でストレス対策を進める際には、これらの内容の違いを
十分に考慮する必要があると言えるでしょう。
厚生労働省
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