作文は、与えられたテーマを的確に理解してそれに対する自分の考え方を整理して
文章で他人に伝える能力などをみたり、誤字や脱字は多くないかなどをみることで、
求める職種の職務遂行上必要な適性・能力(知識)を判断するために実施するものです。
このようなことから、応募者に作文を書かせることが、求人職種の職務内容からみて、
必要な知識や適性を判定する方法として適当かどうか(安易に書かせていないか
どうか)、検討する必要があります。
その上で、作文を書かせることが適当であると考えられる場合は、作文のテーマが
適当かどうか検討する必要があります。
つまり、本人に責任のない事項や、本来自由であるべき事項(思想信条に
かかわること)を直接・間接的に書かせていないか十分留意する必要があります。
例えば、『私の家庭』『私の生いたち』など本人の家庭環境に係るテーマや
『尊敬する人物』など本人の思想・信条にかかわるテーマは、その人の家族状況や
思想・信条を把握し、それによって就職差別につながるおそれがあります。
なお、これらのテーマは、就職差別につながるおそれがあるばかりでなく、
それを「触れられたくない」「他人に言いたくない」「書きづらい」とする立場や
事情を抱えている応募者に対して、思いやりの姿勢や配慮に欠けることに
なるという側面もあります。
例えば、両親を早く亡くした応募者にとっての『父(母)』というテーマや、
つらい苦しい日々を過ごしてきた人にとっての『生いたち』というテーマは、
まさにこれに該当するものであり、本人につらい思いをさせ苦痛を与える
配慮のないテーマとなります。
未成年の新規中・高卒予定者などであればなおさらです。
~厚生労働省資料より~