厚生労働省 
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うつ病で働けなくなるのは、その症状のためです。

まず、睡眠障害があります。

うつ病に比較的特徴的なのは朝早く目が覚めることです。

暗いうちに目を覚まして眠れません。

そしてうつ病の症状で最も特徴的なものは、気分の憂鬱さです。

特に朝目覚めたときから日中にかけて気分が憂鬱になります。

朝早く目が覚め、そのときすでに気分は憂鬱なのです。

そして出勤する時間になっても布団から出られません。

目は開いているのですが、憂鬱で仕事に行く気力が出てきません。

がんばって職場に行っても気力がなく、集中力もありません。

仕事を進めるのに時間がかかり、ミスが目立ちます。

つまり気力、集中力、思考力が低下し、ひどい場合には一日中ボーっとして

何も考えられません。このような症状が出てくると休職になります。

これらの症状が良くなれば働くことが出来るのです。

すなわち、夜は良く眠れ、朝の気分は憂鬱さがなく一日を通して気分は安定し、

日中の気力、思考力、集中力が続くことを確認すればよいのです。

しかし、このようにうつ病の症状が取れて仕事を休む前の気分や

体調に戻った時点で再び働き始めても、また憂鬱な気分が戻ってきたり、

眠れなくなったり、仕事をしていて集中力が衰えたりすることがあります。

このようなことはなぜ起こるのでしょうか?

仕事を休むということは、仕事から受けるストレスをゼロにしているということです。

仕事を始めるということは、再びストレスに曝されることです。

つまり病状が戻ってくる場合は、仕事をしても大丈夫なほどには

病状が改善していなかったということです。

それではどのようすれば仕事が大丈夫なレベルの病状の回復を

確認できるのでしょうか。

そのためには規則正しい生活が出来ているかがまず大事です。

朝決まった時間に起きられなければ出勤が出来ません。

夜決まった時間に就寝し、良く眠れて朝一定の時間に起きられるという

睡眠覚醒リズムを取り戻すことです。

これも一日だけではなく週7日続けられるようになれば第一段階は突破です。

次はこのように規則正しい生活リズムが戻れば日中の時間が出来てきます。

そこで朝から気分がよければ、何らかの活動が出来るはずです。

自分の仕事に似た時間のすごし方をしてみます。

仕事というのは時間を会社に拘束されることですが、これがストレスの大きな要素です。

つまり自分の時間を自分で拘束してみればよいのです。

したがって、自分の家以外の場所で、他人の目のあるところで一定時間をすごします。

意外とそのような場所はなく、図書館に行くことを勧めます。

図書館には本という文字情報と机があります。

それからほかの人の手前、寝るのは気がひけます。

図書館で業務関連の本がどんどん読めれば、かなり有望です。

そして最後は通勤です。これは自分で職場まで通勤し、

職場近くの図書館で作業を続ければ確認できます。

このような一連の生活を通して安全に復職できる段階を見極めます。

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