「おりまーす」の声が、か弱い女子高校生。
周りが気付かずになかなか降りられない女子高校生。
「降りる方がいらっしゃいますよ~」と素敵な紳士ボイスが聞こえた。
もうそれはロマンスグレーのアナウンサーばりなボイスだ。
そこから妄想が始まります。
「会社の重役さんか?」
「愛妻家に違いない」
「室内犬を飼っている」
「マルチーズだ。赤いリボンでちょんまげしている」
「奥様の趣味がガーデニングとレース編み」
「お手製のレースが敷かれた花瓶にはいつも生花」
「週末は一緒に台所に立つ」
「一緒に作るのはイタリアンのコース」
「前菜から始まって最後はパスタ」
「早めの夕方から冷えた白ワインを開けながら」
「食後はソファで高級チョコレートとエスプレッソ」
「レコードを聴きながら」
こんな妄想をしているとあっという間に降車駅に着いた。
何の話だいったい(笑)